中国旅行添乗員レポート

VOL.11 2013年10月21日発 6日間
第3回 禹王の治水伝説の旅 北京→長沙(ちょうさ)武漢(ぶかん)登封(とうふう)→上海


1日目:10/21(月) 羽田空港/関西空港 → 北京 → 長沙
羽田空港と関西空港それぞれから出発(添乗員は羽田から)。北京空港にて先に到着していた関空発の8名様と合流し、中国国内線ロビーへ。大変な混雑で搭乗手続きに手間取りましたが、なんとか国内線に搭乗。順調に飛行し、ほぼ定刻どおり湖南省の省都・長沙へと到着しました。
長沙ではスルーガイドの王さん、地元ガイドの陳さんと合流し、23時半頃ホテルに入りました。

2日目:10/22(火) 長沙
各自でバイキングの朝食後、最初の目的地・岳麓山へ。湖南大学や湖南師範大学など湖南省の重点大学が拠点を置く岳麓山の頂上付近に今回の旅の目的のひとつ「こうろう碑」(※「こう」は山偏に句、「ろう」は「楼」の木偏を山偏に変えたもの)があり、カートに乗り換え頂上へ。日本にも伝わっている碑文と同じものなのかどうか、時間をかけてじっくりと見学しました。
その後は麓へ降りて中国最古の学府で中国四大書院と謳われる岳麓書院、晩愛亭などを見学。緑豊かな書院はひろびろとしていてちょっとした憩いの場になっていました。
見学後は赤い旗がたなびき、毛沢東の胸像が出迎えてくれる湖南料理の店「毛家飯店」で昼食を食べました。
午後は長沙のシンボル・天心閣へ。緩やかな丘になっている公園を散策し、その昔、星の観測のために使われたといわれる楼閣を見学しました。
こうろう碑 こうろう碑の説明文 愛晩亭

3日目:10/23(水) 長沙 → 武漢
この日は朝7時集合でホテルを出発です。中国が世界に誇る高速鉄道に乗車し、湖南省の隣・湖北省の省都・武漢を目指します。高速鉄道の駅は大体どこも同じ造りをしているそうで、広々としたロビーと高い天井が特徴。駅ひとつとっても中国の雄大さを感じさせます。
ガイドの陳さんと別れ、自動改札を通ってホームに降り、指定された車両に乗り込んだ後は武漢まで車窓を楽しむ旅です。そうはいっても日本とは違い郊外の荒野や田園地帯に線路を敷設している中国では、いけどもいけども見える景色はそれほど変わりありません。延々と広がる田園風景に朝早く起きた皆様はうつらうつらとしていらっしゃいました。
武漢到着後は、武漢のガイド・許さんと合流し、市内へ。湖沼地帯にある武漢は駅から出るとすぐに湖が見えてきます。季節はずれだったため見られませんでしたが、初夏には睡蓮も咲いて美しくなる東湖を横目に私たちのバスは湖北省博物館を目指しました。
広大な敷地の中に立つ湖北省博物館は全部をしっかり見ようと思うと1日かけても足りません。今回はいくつかの展示場に絞り、学芸員の女性に案内されながら展示を見学しました。
午後には唐の詩人・李白の漢詩で有名な黄鶴楼へ。歴史上幾度かの火災に遭った楼閣は、近年二度と燃え落ちないよう鉄筋コンクリートに造り替えられました。今は黄鶴楼一帯が広い公園になっており、ゆっくり散歩をすると有に2時間はかかってしまいます。私達はカートを利用し、黄鶴楼から長江大橋のかかる長江を見下ろしました。
夕方になり陽が傾いてきた頃になってから向かった先は、今回の旅の第二の目的地・晴川閣です。黄鶴楼の対岸にある晴川閣の敷地内には、前日に見た「こうろう碑」と似た石碑があります。この碑はいったいどういう経緯でここに建てられ、そもそも原碑はどこにあるのだろうと不思議に思いながら訪れた皆様は、晴川閣の管理者・何さんや学芸員の方と交流しながら、碑の謎を研究していらっしゃいました。
黄鶴楼 黄鶴楼からの眺望 晴川閣

4日目:10/24(木) 武漢 → 許東 → 禹州 → 登封
朝は全員5時起きでホテルを出発です。ホテルが用意してくれたお弁当(水とバナナとサンドイッチやパン類)とスーツケースを持って昨日到着したばかりの武漢駅へ。前日と同じ手順で新幹線に乗ると、昨日乗ったものより少しスピードの落ちる各駅停車の新幹線だったせいか、同じ車両に私たち以外の乗客の姿はなく、のびのびと過ごすことができました。
車窓の景色は相変わらずで、ただひたすら平原がどこまでもどこまでも広がっています。
皆様からは「山がまったくないね」「日本とは違うね」「こんなところに置いてけぼりにされたら困ってしまうね」といった感想がちらほら。たしかに日本では山ひとつない平原の景色というのはほとんど見かけませんので、貴重な経験になったかと思います。
武漢で許さんと別れ、スルーガイドの王さんの先導で許昌に降り立った私達がまず感じたのは寒さです。長沙や武漢は中国南方地方なので10月末でも気温が20度以上あって暖かかったのですが、北京に近い河北省の許昌は10度前後しかないので、温度差が激しく寒く感じました。
許昌駅を出た後は一路禹州を目指します。禹王伝説の残る鎖蛟井とすぐそばの通りにある高校の中にある古釣台を見学した後は、中国の禹王研究の第一人者・常松木先生をお迎えして禹山の麓にある禹王廟へ向かいました。
この禹王廟は現在は道教の施設にもなっており、山肌に数層に渡って廟が立てられています。山中の人気のない場所にあるのですが、禹王研究の皆様の力で整備され巨大な禹王像も立っている立派な廟でした。
禹王廟見学後は一路登封へ。少林寺で有名な登封は少林寺を始め、嵩陽書院などが世界文化遺産に登録されています。そういったメジャーな観光地を通り過ぎ、やってきたのは左荘という村。その村の中に禹生石という禹王伝説に関する石があり、研究所も建てられています。常先生の案内で私達は村の奥まった場所にある禹生石を見学しました。地質学に詳しいお客様の話では、禹生石をはじめとするこのあたり一帯の石は日本にはないもので、おおよそ34~35億年前の地殻変動でできたものだとか。中国四千年の歴史を感じさせる禹王伝説もさることながら、中国の大地に刻まれた歴史は長いなぁと感じました。
夜はホテル内のレストランで常先生と交流会です。人数が多かったためテーブルが二つになってしまったのが大変残念でしたが、ちょうどこの日がお誕生日だった方のお祝いをしたり、常先生が作詞された禹王伝説の歌を中国語で合唱したりなど、とても和やかに過ごすことができた夜でした。
武漢駅 D2032次 新幹線

5日目:10/25(金) 登封 → 堰師 → 鄭州 → 上海
朝、再び常先生をお迎えして登封見学です。常先生が出版に携わっている雑誌の編集長さんや社長さんも日本からはるばるやってきた禹王研究のお客様をお迎えしようとやってきてくださいました。お客様の熱心な研究姿勢に感動された常先生のご好意で、私達は普段は立ち入ることのできない闕門が保管されている保管庫内を見せていただくことができたのが、今回の旅の大きな成果だと思います。後漢時代に造られたという闕門には禹王に関する記述があり、常先生の熱心な説明に皆さん聞き入っていました。
闕門を見せていただいた後は、その後ろにある啓母石の見学です。足場の悪い石畳の坂を上って行くと、何トンあるのか想像もつかないほどおおきな石がどん、と据えてありました。それは禹王の母が変化したものだとのことで、前日見た禹生石と同じ種類の石だそうです。すぐ背後には嵩山があり、嵩山の石はどうやらその石でできているらしいということがわかる一場面でした。
常先生はとても研究熱心で情熱あふれる方だったのでみなさん別れるのが惜しく、もっとお話しを聞いていたいところでしたが、この日は最後に上海に行かなくてはいけなかったため、後ろ髪をひかれる思いで常先生とは登封でお別れしました。
登封の中心地を離れると山越えです。日本とは違う石ばかりの峠を越え、視界が広がるといっきに平野がひろがります。これらの平野の一角にあるのが伝説といわれていた夏王朝の遺跡・二里頭です。発掘時期からはずれていたため、発掘現場を見学することはできませんでしたが、発掘した文物を保管している研究所を見学させていただき、夏王朝時代のものと思われる土器などを見ました。
二里頭遺跡の見学後は堰師市内のホテルで昼食を食べ、その後河北省の省都・鄭州へ。交通至便な鄭州は日本人建築家のデザインで現在街の整備が行われています。そのため、あちらこちらで工事が行われており、交通規制で渋滞も発生しているのですが、私達が見学に訪れた黄河博物館はつい先日市内中心部から少し離れた郊外に移転したばかりだったので、渋滞に巻き込まれることはありませんでした。
黄河に関するありとあらゆることを展示している黄河博物館は、展示内容も充実している博物館です。中国という大国を横断する黄河の歴史上の役割、現在の姿などが写真やパネルの他、映像や模型を使って展示されていました。
黄河博物館見学後は空港へ移動です。この時、お客様の一人が離団され、迎えにきたガイドとともに新幹線駅へと向かわれました。残された私達は鄭州市の管轄下にある新鄭県へ。空港隣のレストランで手早く夕食を食べた後、スルーガイドとして初日から同行してくれた王さんに別れを告げ、中国国内線に乗り込みました。
中国の国内線空港はどこも混雑していますが、夜だったせいかそれほどごみごみしていなかったのは幸いです。搭乗時刻まで余裕があったので、皆さん思い思いにお土産を買ったり、寝酒用のビールを買い込んでいらっしゃいました。
20時頃鄭州を離れた飛行機は、1時間半ほどとんだ後上海の開発区にある浦東空港に到着。旅の疲れもあり、バスに乗り込んだ後はみなさんほとんど寝てしまわれました。
ホテルに入ったのは23時。連日の朝早かったり遅かったりなので皆さんお疲れになったようで、お部屋に入られた後はすぐ眠ってしまわれたようです。
啓母石 闕門(けつもん) 大禹紀念公園

6日目:10/26(土) 上海 → 関西空港/成田空港
午前便でお帰りになる関西の皆様は5時半起きで出発です。今までで一番過ごしやすいホテルだったという王宝和大酒店を7時前に出発された8名様は、お昼頃日本に到着されました。
残された成田空港帰国組はのんびり起床です。8時すぎに示し合わせたようにレストランで顔を合わせ、全員でゆっくり朝食をとりました。
一度お部屋に帰って荷物整理をした後は、いよいよ出発です。6日間過ごした中国の最後の出口は昨晩降り立ったばかりの浦東空港。チェックインを行い日本にいるご家族やご友人へのお土産を買い込んでいると、台風26号の影響で航空機が遅延することが判明。結局、予定時刻から1時間以上過ぎてようやく搭乗開始となり、成田空港にも約1時間遅れで到着となりました。


南北約1千キロ縦断の旅でしたが、皆様全員元気に旅行できてよかったと思います。世界遺産も魅力的ですが、日本と中国をつなぐ禹王の治水伝説をテーマに、一般にはあまり知られていない中国の面白さ、本当の姿を目にすることができる旅だったと思います。また、文物ばかりではなく人と交流することができたことも大きな成果ではないでしょうか。
袖摺りあうのも何かの縁とはよく言いますが、お客様それぞれがこの縁を今後もつないで日中友好の懸け橋になってくださればいいな、と思いました。。

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